ネタバレレビュー:『ナイブズアウト』はクズなキャプテンアメリカが光る極上ミステリ

 

 

第92回アカデミー賞脚本賞ノミネート、ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門3部門ノミネート、さらに米レビューサイト「ロッテントマト」では批評家、オーディエンス共に満足度97%を記録(2020年1月6日時点)した本格ミステリ「ナイブズアウト/名探偵と刃の館の秘密」が絶賛公開中です。

 

今回は、全米を魅了した大ヒットミステリーのレビューをお届けします!

後半にはネタバレがあるのでご注意ください。

 

 

あらすじ

 

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』1.31(金)公開/60秒予告(ナレーション:中村悠一)

 

舞台はNY郊外の1軒の屋敷。主である世界的ミステリ作家で資産家のハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)は85歳の誕生日パーティーの翌日、寝室で遺体となって発見される。

 

部屋が完全な密室だったことから、警察は自殺と結論付けようとするが、南部訛りの私立探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は匿名の依頼を受けて捜査にのり出す。容疑者は秘密を抱えたハーランの誕生日パーティーの参加者たち。家族、家政婦、看護師……。

 

ハーランは本当に自殺なのか、ブランに届いた匿名の依頼の主は誰なのか、そしてそれぞれが抱える秘密とは?

 

謎が謎を呼ぶ密室ミステリに名探偵ブノワ・ブランが挑む!

 

 

出演者は?

 

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』1.31(金)公開/スロンビー家の人々

 

癖のある私立探偵ブノワ・ブランを演じるのは「007」シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドでお馴染みのダニエル・クレイグ。

 

007シリーズではクールで寡黙なタフガイという感じでしたが、本作ではちょっとお茶目な探偵ブランを演じています。

 

 

注意を引くためにピアノの鍵盤を叩いたり、イヤフォンをしたまま熱唱したりする姿はまるで大きな子どものよう。

 

でも、名探偵の名に相応しく、その推理はピカイチ!

 

容疑者たちの秘密も華麗に暴いちゃうんです!

 

可愛い行動とクールな推理力のギャップにメロメロになっちゃうかも……!

 

 

また、ハーラン一族の問題児。放浪息子のランサム・ドライズデールを怪演するのは、なんと「アベンジャーズ」シリーズのキャプテンアメリカでお馴染みのクリス・エヴァンス。

 

キャプテンアメリカは誠実で熱いハートを持った生真面目な好青年でしたが、ランサムは浪費しまくり、和を乱しまくり、口汚く他人を罵りまくり!

 

キャプテンアメリカが劇中で下品な言葉を毛嫌いしていたことを考えると、まさに180度違うキャラクターといえそうです。

 

新たなクリス・エヴァンスの魅力を発見できちゃうかも!

 

 

【ネタバレなし】見所:どいつもこいつも怪しすぎ!

ハーランの一族は豪邸に住み、莫大な富を持ち、物質的に満たされていますが、精神的には全く逆。

 

金があればあるだけ使い、ハーランが亡くなっても彼の財産の話ばかり。

 

もうクズ、クズ、クズ、どこを見渡してもクズばっかりだ!!

 

本作に登場するキャラクターははっきり言って、被害者であるハーランや事件を追うブラン、刑事たちを除いたほぼ全員がクズです。いっそすがすがしいです。

 

人を小ばかにしまくるわ、口汚く罵るわ、もうとても資産家の一族とは思えません。ランサム、お前のことだぞ。

 

ハーランの財産を手に入れるためなら何でもしそうな怪しいやつばっかりだから、最後の最後まで誰が犯人でもおかしくないと思わせてくれます。

 

【ネタバレなし】見所:どこもかしこも謎だらけ!

 

 

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』1.31(金)公開/スロンビー家の人々

 

 

この映画、とにかく謎が多い!!

 

どいつもこいつも秘密を抱えているし、嘘をついているし……怪しい、怪しすぎる!!

 

そんな大量の謎と嘘をブランが次々と暴いていくわけですが、解決したそばから新たな謎が現れて、もう一寸先の展開すら予測不可能!?

 

それもそのはず、監督/脚本を担当したライアン・ジョンソンは、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」で知られる監督ですが、実は大のミステリー好き。

 

そんな彼が満を持して、エルキュール・ポアロやミス・マープルといった名探偵の産みの親である推理小説家アガサ・クリスティーに捧げた、100%オリジナル脚本で撮ったのだから、もう謎に関しては一級品!

 

ジェットコースターに乗っているかのように、展開に振り回されっぱなしの130分を味わうことができます!

 

【ネタバレあり】見所:ハーランの思いとは

ここからは本編のネタバレを含みますので、注意してください。

 

この事件の真相は結局のところ、被害者と思われていたハーランの自殺でした。

 

彼は看護師にして親しい友人だったマルタが自分に投与する薬の量を間違えたと思い込み、彼女を庇おうとして密室で自分の首を切って自殺をしたのです。

 

彼がなぜそこまでしてマルタを庇ったのかというと、彼女がとても優しく、誠実だったからです。マルタは嘘をつくと嘔吐してしまう体質だったということもありますが、それを差し引いても彼女の仕事ぶりは真面目で、財産の有無に関係なくハーランに対して親切に接していました。そして、その思いやりこそ彼の一族に欠けているものでした。

 

ハーランは金にばかり執着する家族を憂いていました。彼は高齢で病にも侵され、先は長くないような状態でしたが、それでも家族を愛し、彼らの行く末を案じていました。

 

そこで彼は、死後、自分の財産の全てをマルタに相続させることを決めたのです。

 

私はハーランが本当に家族愛していたからこそ、この決断をしたのではないかと思います。

多少荒っぽいやり方ではあるものの、お金よりも大切なことがあると教えたかったのではないでしょうか。

 

しかし、残念ながら彼のこの思いは伝わらず、遺言の内容を知ったランサムがマルタを陥れるために薬のラベルを貼り替えたことで、結果的にハーランは命を落とします。

映画は遺言通りにマルタがハーラン財産の全てを相続し、一族を屋敷から追い出すところで終焉を迎えます。ハーランの意図が伝わったのかどうかは本編では分かりません。しかし、最後まで互いを罵りあう姿に、何だかとてもやるせなさを感じるラストでした。

 

【ネタバレあり】総評:ナイブズアウトは「観客を飽きさせない極上ミステリだ!!」

結局のところ、この映画って面白いの? という疑問にずばりお答えしますと、「面白い」です!

まず、「キャラクター」が個性的。

様々な秘密を抱え、ハーランの財産を手に入れることしか考えていないキャラクターたちばかりですが、逆に人間味があります。「ああ、いるなぁ……こういう人」なんて見ながら思えたりするくらい。

ですが、どのキャラクターも間が抜けていたり、彼らなりに葛藤していたりして嫌いになれないから、最後に屋敷を追い出されたときは何となく同情しちゃったりして、観客の心をふさぶってくれます。

 

それから、「最後まで飽きることがない!」。前述のとおり、この映画は謎と秘密に溢れています。どのくらい多いかというと、ほぼ全てのシーンで謎解きがあるくらい。

なので、本当に130分があっという間なんですよ! 謎が解決したそばから次々現れるから、先の展開が気になって、飽きる暇がなかったです。

話のテンポも早いので、なおさら時間の長さを意識させない作品です。

「普段映画は見ないから、130分耐えられるか心配……」なんて方も安心して見られるんじゃないかと思います。

というか、そういう方にこそ見ていただきたい!!

ついでに、ダニエル・クレイグとクリス・エヴァンスのイケてるルックスを間近で堪能したい方にもおすすめです。

特にゲロまみれになるクリス・エヴァンスは一見の価値ありです。顔面からゲロ浴びてもイケメンって何よ?

……話が少しそれましたが、「ナイブズアウト」はクラシックな舞台ながらも観客を飽きさせない工夫と謎に満ちたエンターテイメント映画でした!

 

謎が謎を呼ぶ本格ミステリ映画「ナイブズアウト/名探偵と刃の館の秘密」はTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開中です。

 

気になる方はぜひ、謎の迷宮に迷い込んでみてくださいね!

 

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